Bustle Pannier Crinoline

バッスル・パニエ・クリノリン

過ぎゆく2017年、来たる2018年(第4回・完結)

今から言うことは嘘なので真に受けないでほしいのですが、先日AV女優の姫川ゆうな
さんと都内の某ホテルで熱く愛を交し合ってきましt・・・ではなくて、わいせっつーとしての今年の振り返りとの来年の展望について対談を行いました。これはその第4回です(第3回はこちら)。もう一度言いますがこれは架空の対談です。

 

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姫川ゆうな(以下「姫川」):お待たせしました~(トイレから戻ってくる)

 

わいせっつー(以下「わいせ」):いいえ、全然。対談長くなってすみません。

 

姫川:大丈夫です。

 

わいせ:今日はこの後撮影とかあるんですか?

 

姫川:今日はこのインタビューだけです。

 

わいせ:こういう、撮影以外の仕事って結構あったりするんですか?

 

姫川:そんなにないですね。姫川、イベントとかやらない人なので。

 

わいせ:なるほど、じゃあこの後よかったらお食事でもしませんか?

 

姫川:えっ、嫌です。

 

わいせ:ですよね…いやぁそれにしても本当ビデオとイメージ違いますよね。

 

姫川:よく言われます。結構アホっぽくヘラヘラ笑っている役も多いので、そういうキャラクターを私自身に期待されることもあるんですけど、それはあくまでも役柄なので。

 

わいせ:ムカつく役をやったら本当に嫌な女のイメージが付いて嫌われてしまった裕木奈江さんみたいなものですかね。でも、AV女優って一般女優以上に、演じている姿をその女優さんの「素なんじゃないか?」と錯覚する観る側の勝手な思い込みの余地を維持することが期待されている気がしますし、それが女優さん側にとっては面倒なところでもありますよね。

 

姫川:そのように期待されていると意識したことはあまりないです。実際どこまでが素でどこまでが演技かなんて明確に線引きできませんし。

 

わいせ:確かに、その人の持っている本質的な魅力を素と呼ぶのであれば、どんな演技の中にも素は混ざりこみうるわけですものね。その混ざり方に女優さんの個性とか技巧が表れるんでしょうね。

 

姫川:ええ…。あーそうそう、さっき何か言いかけたじゃないですか。冗談がどうとか…

 

わいせ:あ、はい。僕がさっき言おうとしたのは、インターネットで冗談を言うということについてですね。僕は子どもの頃から学校でよく冗談を言ったりしていたのですが、学校での仲の良い友達同士で冗談を言い合うのは誰でもやっていることだし、気の合う仲間内で冗談が盛り上がるのは当たり前のことだと思っていたので、そこでみんなで笑い合った内容が世の中的に面白いかどうかは別問題だと思っていたし、世の中的にどうかということに当初関心はなかったんです。でも、だんだん世の中的にどうなのかということも少し考えるようになっていったような気がするんです。

 

姫川:それは何歳くらいの時の話ですか?

 

わいせ:うーん、それは高校生くらいのような気もするし、でももっと小さい頃からそういう視点があったような気もしなくはないです。

 

姫川:それって、自分の力を試してみたくなったというか、世の中的に自分がどれくらい面白いかを知りたいという意識ですかね?

 

わいせ:そういう「力試し」的な側面も多少あると思いますが、それよりは、自分が面白いと思う事を面白いと感じてくれる人がクラスの仲よしグループの外にもいるのであればそこに発信したり共有したりしたい!という「マッチング」の側面の方が大きかったと思います。少なくとも高校生くらいのときには、フォーマットを探していましたね。


姫川:フォーマットを探すって何ですか?

 

わいせ:クラスの仲のいい友達は僕が面白いと思って言ったことはたいてい笑ってくれるんですけど、やっぱり僕の言うこと全部が伝わるわけじゃなくて、ピンときてもらえないところもあるんですよね。A君に伝わる面白さ、B君に伝わる面白さ、微妙に違うので、相手によって話題を変えるってのは誰しもあると思うんですが、一番伝わる相手がもしかしたらこの世のどこか別の場所にいる見ず知らずの人かもしれないじゃないですか。だから、自分が良いと思う冗談をどういう形で発信して誰に伝えたら一番気持ち良いかということを考えていました。

 

姫川:発信したがり屋さんですね。今もそんな感じですもんね。

 

わいせ:気持ち良くなりたがり屋と言った方が正しいかもしれません。そんでまあ、雑誌とかテレビに、自分が面白いと思うことを投稿して、それなりに拾ってもらったこともあるんですが、マスメディアを通じてだとやっぱり発信者としては自分は取るに足らないちっぽけな存在という事実に直面します。お笑い芸人でもハガキ職人でもない。でも、そこでインターネットの時代が来るわけです。

 

姫川:誰もが発信者になれる時代ですね。いいのか悪いのか。

 

わいせ:ホントですね。インターネットの普及により、まさに僕が考えていた「見ず知らずの人の中から、自分が面白いと思う事を面白がってくれる人を探す」ということをマスメディアの力を借りなくてもできるようになったんです。

 

姫川:求めていた時代が来たぞ、と。

 

わいせ:テクノロジー的には夢は叶ってしまったんですけど、実際インターネットって言ってもいろいろあって、どんなフォーマットがベストかっていうところで、ずっと試行錯誤があったんです。大きくわけて「どうやって冗談を言うか」「冗談が誰にどうやって届くか」の2つの側面があって。

 

姫川:どうやってっていうのは?

 

わいせ:僕が発信のためにインターネットを初めた頃は、BBS・チャット・自作ホームページの時代ですね。そのあと、ブログの時代が来て、そしてミクシィの時代が来て、これはSNSの時代の始まりと言ってもいいと思うんですけど。ブログとかミクシィと並行してずっと2ちゃんねるはあって、ミクシィの時代が終わるころに動画の時代、YouTubeの時代が来て、ニコニコ動画とかが独自の文化を作って、その後SNSFacebookMySpaceを負かして一強となり、あとはTwitterとLINEの時代が来るっていうのが僕の体感なんです。

 

姫川:いろいろやってきましたね。

 

わいせ:はい。で、初期のBBSとかホームページは、冗談を言うための場としてはかなり有効に機能しましたが、冗談を不特定多数の人に読んでもらうという点がなかなかクリアできませんでしたね。そういう意味ではTwitterのフォロワーが少ないときに似ていました。その点が大幅に良くなったのは2ちゃんねるでしたね。主に常連が相手になってしまうとはいえかなりの不特定多数の人に見てもらえるし、反応も得やすかったのと、あとは何より「冗談を言う」という文化が確実に存在していたのが一番大きいです。逆にミクシィは冗談を言うのに全く向いていませんでした。文化の問題でしょうね。Facebookに比べればマシですが。チャットはその場その場で冗談を言って盛り上がったりもしましたが、Twitterと同じでその場限りで流れてしまうのがちょっとイマイチでしたね。テキストで冗談を言うのを基本にしたい僕にはYouTubeは本流となりえないフォーマットですし、LINEは友達同士のツールという認識です。そう考えると、僕にとってTwitterって、冗談を言う文化がある、気軽に冗談を言ってすぐに反応が返ってくる、それを面白いと思ってくれる人が見つけやすい、という意味で「冗談を言うための現存するインターネット・ツールとして最も優れたもの」なんじゃないかなと思っています。

 

姫川:そうですか~。でも、もともとツイッターって別に冗談を言うツールじゃないですよね。

 

わいせ:でも、開発された当初はそれこそ、今の日本の中高生のツイッター観とは全く異なるものとして想定されていたわけですよね。知らないヤツにいきなり話しかけるのがツイッターのはずだし、ブログと同じく自己プロモーションに使うのが欧米的な使い方ですが、日本人は「おはよう」とか呟いて友達からいいねをもらうみたいな使い方するのが主流だし「無言フォローするな」とか「知らない人からRTされて怖い」とか、だいぶ感覚が独自に遊離してますよね。僕の使い方の方が、ある意味自己プロモーションみたいなものですから本来の用途に近い気がしますよ。

 

姫川:そんなことないと思いますけど…まぁいいです。

 

わいせ:とにかく、ツイッター2ちゃんねる以来の優秀なインターネット冗談ツールっていうことなんです。

 

姫川:そうですか。じゃあツイッター始めて良かったじゃないですか。

 

わいせ:そうなんですよ。こうして姫川さんとも会えたし…

 

姫川:そうですね。私が有名かどうかはともかく、有名人といきなりゼロ距離になるっていうのがツイッターの特徴ではありますよね。

 

わいせ:僕が面白いと思うことを共有できる仲間をせっかくここまで数多く見つけたので、2018年は引き続きツイッターで冗談を言うことを中心的な活動としていきたいと思っています。

 

姫川:なんか人生楽しそうでいいですね。

 

わいせ:いやぁ、自分としてはそんなことなくって仕事とか大変なんですけど、でもだからこそ、インターネットでくだらない冗談を言うという一見どうでもよさそうなことを大事にしたいんです。そして、それを分かち合える仲間も大事にしたい。

 

姫川:大事にしたほうがいいですよ。私も冗談言うの好きですし、ひたすら冗談を言って笑いあえる仲間は貴重だと思います。

 

わいせ:それでは、だいぶ時間が過ぎてしまってますので、この辺にしておきましょうか。今日はありがとうございました。

 

姫川:いいえ、こちらこそ。お体に気を付けて冗談を言い続けてください。

 

わいせ:本当にありがとうございます。そちらこそご自愛ください。あと、最後にハグしていただけないですか。

 

姫川:えっ、嫌です。

 

わいせ:ですよね…

 

 

(終わり)