過ぎゆく2017年、来たる2018年(第4回・完結)
今から言うことは嘘なので真に受けないでほしいのですが、先日AV女優の姫川ゆうな
さんと都内の某ホテルで熱く愛を交し合ってきましt・・・ではなくて、わいせっつーとしての今年の振り返りとの来年の展望について対談を行いました。これはその第4回です(第3回はこちら)。もう一度言いますがこれは架空の対談です。
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姫川ゆうな(以下「姫川」):お待たせしました~(トイレから戻ってくる)
わいせっつー(以下「わいせ」):いいえ、全然。対談長くなってすみません。
姫川:大丈夫です。
わいせ:今日はこの後撮影とかあるんですか?
姫川:今日はこのインタビューだけです。
わいせ:こういう、撮影以外の仕事って結構あったりするんですか?
姫川:そんなにないですね。姫川、イベントとかやらない人なので。
わいせ:なるほど、じゃあこの後よかったらお食事でもしませんか?
姫川:えっ、嫌です。
わいせ:ですよね…いやぁそれにしても本当ビデオとイメージ違いますよね。
姫川:よく言われます。結構アホっぽくヘラヘラ笑っている役も多いので、そういうキャラクターを私自身に期待されることもあるんですけど、それはあくまでも役柄なので。
わいせ:ムカつく役をやったら本当に嫌な女のイメージが付いて嫌われてしまった裕木奈江さんみたいなものですかね。でも、AV女優って一般女優以上に、演じている姿をその女優さんの「素なんじゃないか?」と錯覚する観る側の勝手な思い込みの余地を維持することが期待されている気がしますし、それが女優さん側にとっては面倒なところでもありますよね。
姫川:そのように期待されていると意識したことはあまりないです。実際どこまでが素でどこまでが演技かなんて明確に線引きできませんし。
わいせ:確かに、その人の持っている本質的な魅力を素と呼ぶのであれば、どんな演技の中にも素は混ざりこみうるわけですものね。その混ざり方に女優さんの個性とか技巧が表れるんでしょうね。
姫川:ええ…。あーそうそう、さっき何か言いかけたじゃないですか。冗談がどうとか…
わいせ:あ、はい。僕がさっき言おうとしたのは、インターネットで冗談を言うということについてですね。僕は子どもの頃から学校でよく冗談を言ったりしていたのですが、学校での仲の良い友達同士で冗談を言い合うのは誰でもやっていることだし、気の合う仲間内で冗談が盛り上がるのは当たり前のことだと思っていたので、そこでみんなで笑い合った内容が世の中的に面白いかどうかは別問題だと思っていたし、世の中的にどうかということに当初関心はなかったんです。でも、だんだん世の中的にどうなのかということも少し考えるようになっていったような気がするんです。
姫川:それは何歳くらいの時の話ですか?
わいせ:うーん、それは高校生くらいのような気もするし、でももっと小さい頃からそういう視点があったような気もしなくはないです。
姫川:それって、自分の力を試してみたくなったというか、世の中的に自分がどれくらい面白いかを知りたいという意識ですかね?
わいせ:そういう「力試し」的な側面も多少あると思いますが、それよりは、自分が面白いと思う事を面白いと感じてくれる人がクラスの仲よしグループの外にもいるのであればそこに発信したり共有したりしたい!という「マッチング」の側面の方が大きかったと思います。少なくとも高校生くらいのときには、フォーマットを探していましたね。
姫川:フォーマットを探すって何ですか?
わいせ:クラスの仲のいい友達は僕が面白いと思って言ったことはたいてい笑ってくれるんですけど、やっぱり僕の言うこと全部が伝わるわけじゃなくて、ピンときてもらえないところもあるんですよね。A君に伝わる面白さ、B君に伝わる面白さ、微妙に違うので、相手によって話題を変えるってのは誰しもあると思うんですが、一番伝わる相手がもしかしたらこの世のどこか別の場所にいる見ず知らずの人かもしれないじゃないですか。だから、自分が良いと思う冗談をどういう形で発信して誰に伝えたら一番気持ち良いかということを考えていました。
姫川:発信したがり屋さんですね。今もそんな感じですもんね。
わいせ:気持ち良くなりたがり屋と言った方が正しいかもしれません。そんでまあ、雑誌とかテレビに、自分が面白いと思うことを投稿して、それなりに拾ってもらったこともあるんですが、マスメディアを通じてだとやっぱり発信者としては自分は取るに足らないちっぽけな存在という事実に直面します。お笑い芸人でもハガキ職人でもない。でも、そこでインターネットの時代が来るわけです。
姫川:誰もが発信者になれる時代ですね。いいのか悪いのか。
わいせ:ホントですね。インターネットの普及により、まさに僕が考えていた「見ず知らずの人の中から、自分が面白いと思う事を面白がってくれる人を探す」ということをマスメディアの力を借りなくてもできるようになったんです。
姫川:求めていた時代が来たぞ、と。
わいせ:テクノロジー的には夢は叶ってしまったんですけど、実際インターネットって言ってもいろいろあって、どんなフォーマットがベストかっていうところで、ずっと試行錯誤があったんです。大きくわけて「どうやって冗談を言うか」「冗談が誰にどうやって届くか」の2つの側面があって。
姫川:どうやってっていうのは?
わいせ:僕が発信のためにインターネットを初めた頃は、BBS・チャット・自作ホームページの時代ですね。そのあと、ブログの時代が来て、そしてミクシィの時代が来て、これはSNSの時代の始まりと言ってもいいと思うんですけど。ブログとかミクシィと並行してずっと2ちゃんねるはあって、ミクシィの時代が終わるころに動画の時代、YouTubeの時代が来て、ニコニコ動画とかが独自の文化を作って、その後SNSはFacebookがMySpaceを負かして一強となり、あとはTwitterとLINEの時代が来るっていうのが僕の体感なんです。
姫川:いろいろやってきましたね。
わいせ:はい。で、初期のBBSとかホームページは、冗談を言うための場としてはかなり有効に機能しましたが、冗談を不特定多数の人に読んでもらうという点がなかなかクリアできませんでしたね。そういう意味ではTwitterのフォロワーが少ないときに似ていました。その点が大幅に良くなったのは2ちゃんねるでしたね。主に常連が相手になってしまうとはいえかなりの不特定多数の人に見てもらえるし、反応も得やすかったのと、あとは何より「冗談を言う」という文化が確実に存在していたのが一番大きいです。逆にミクシィは冗談を言うのに全く向いていませんでした。文化の問題でしょうね。Facebookに比べればマシですが。チャットはその場その場で冗談を言って盛り上がったりもしましたが、Twitterと同じでその場限りで流れてしまうのがちょっとイマイチでしたね。テキストで冗談を言うのを基本にしたい僕にはYouTubeは本流となりえないフォーマットですし、LINEは友達同士のツールという認識です。そう考えると、僕にとってTwitterって、冗談を言う文化がある、気軽に冗談を言ってすぐに反応が返ってくる、それを面白いと思ってくれる人が見つけやすい、という意味で「冗談を言うための現存するインターネット・ツールとして最も優れたもの」なんじゃないかなと思っています。
姫川:そうですか~。でも、もともとツイッターって別に冗談を言うツールじゃないですよね。
わいせ:でも、開発された当初はそれこそ、今の日本の中高生のツイッター観とは全く異なるものとして想定されていたわけですよね。知らないヤツにいきなり話しかけるのがツイッターのはずだし、ブログと同じく自己プロモーションに使うのが欧米的な使い方ですが、日本人は「おはよう」とか呟いて友達からいいねをもらうみたいな使い方するのが主流だし「無言フォローするな」とか「知らない人からRTされて怖い」とか、だいぶ感覚が独自に遊離してますよね。僕の使い方の方が、ある意味自己プロモーションみたいなものですから本来の用途に近い気がしますよ。
姫川:そんなことないと思いますけど…まぁいいです。
わいせ:とにかく、ツイッターは2ちゃんねる以来の優秀なインターネット冗談ツールっていうことなんです。
姫川:そうですか。じゃあツイッター始めて良かったじゃないですか。
わいせ:そうなんですよ。こうして姫川さんとも会えたし…
姫川:そうですね。私が有名かどうかはともかく、有名人といきなりゼロ距離になるっていうのがツイッターの特徴ではありますよね。
わいせ:僕が面白いと思うことを共有できる仲間をせっかくここまで数多く見つけたので、2018年は引き続きツイッターで冗談を言うことを中心的な活動としていきたいと思っています。
姫川:なんか人生楽しそうでいいですね。
わいせ:いやぁ、自分としてはそんなことなくって仕事とか大変なんですけど、でもだからこそ、インターネットでくだらない冗談を言うという一見どうでもよさそうなことを大事にしたいんです。そして、それを分かち合える仲間も大事にしたい。
姫川:大事にしたほうがいいですよ。私も冗談言うの好きですし、ひたすら冗談を言って笑いあえる仲間は貴重だと思います。
わいせ:それでは、だいぶ時間が過ぎてしまってますので、この辺にしておきましょうか。今日はありがとうございました。
姫川:いいえ、こちらこそ。お体に気を付けて冗談を言い続けてください。
わいせ:本当にありがとうございます。そちらこそご自愛ください。あと、最後にハグしていただけないですか。
姫川:えっ、嫌です。
わいせ:ですよね…
(終わり)
過ぎゆく2017年、来たる2018年(第3回)
今から言うことは嘘なので真に受けないでほしいのですが、先日AV女優の姫川ゆうなさん(むっちゃ俺の好み)と都内の某ホテル(むっちゃ俺の好み)で、わいせっつーとしての今年の振り返りとの来年の展望についての対談(むっちゃ俺の好み)を行いました。これはその第3回です(第2回はこちら)。もう一度言いますがこれは架空の対談です。
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わいせっつー(以下「わいせ」):ところで、姫川さんはご自身の強みは何であると捉えてらっしゃいますか?
姫川ゆうな(以下「姫川」):強み?うーん、自信があるのは乳首ですね。あと、身体が柔らかいというのはあるかな。肌が白いとかも?
わいせ:褒めてますって!別に笑顔が嘘くさいって意味じゃなくて、そこにいて笑っているんだけど、ある意味そこにいない、みたいな…
姫川:どんどんドツボにはまってません?姫川、そんなに「心ここにあらずでやってる」感あります?
わいせ:違うんです、マジで!
わいせ:いや、だからこそですね、そんじょそこらの女優であればただの「こいつ気持ち入ってないな〜」で終わるんですけど、姫川さんの場合そうならないから凄いんですよ!
姫川:必死に取り繕ってますね〜
わいせ:いやいやいや!要するにですね、集中は途切れてないんです、姫川さんの場合。俯瞰って、子供はなかなかできないじゃないですか。だからこんなに無邪気な笑顔なのに俯瞰を感じるということに、奥行きのある存在感と凄みが出てくるってことが言いたいわけなんです!
姫川:そうそう、それ。ツイッターはエロばっかりですけど、ブログはどうなんですか?
姫川:じゃあ、来年はブログで性欲以外のことをもっとやっていこうと?
姫川:プッ…コンテンツって…
わいせ:え?
姫川:いや、ただのブログの投稿をコンテンツとか、ホントすごいですね。自意識過剰っていうか、自己評価すごい高いなって…
わいせ:いやぁ、なかなか当たりが強いですね…
わいせ:なっ、なんすかソレ!僕をそんな単純かつステレオタイプなM気質であるかのように伝えるなんて…
姫川:でもそれはスタッフさんの優しさゆえですよ。それに、自己評価高いって、私は良いことだと思いますよ。
わいせ:自意識過剰なのは全く否定しません。ここまで自意識が肥大化してるからこそ、こんなにツイートしたりブログ書いたりできるんだろうとは思いますね。でも、僕の自己愛は、自分の自信のなさの裏返しでもあるんですよ。
わいせ:そう!自分を必死で肯定するのも、必死で否定するのも、自分に執着しているという意味では同じことをしてるんだと思うんです。
姫川:わかる!わかり過ぎますねそれ。ナチュラルに自分に自信がある人は、そもそも自分を褒めたり貶したりすることに、あまり興味ないと思う。
姫川:うん。で、なんか話の途中でしたよね。ブログの性欲以外の比率を増やそうというよりも、別の観点で何か変えたいみたいな話してませんでした?
姫川:今日はインタビューする側として来てますから!
わいせ:珍しくね。
姫川:そー、どっちかっていうとされる側なんで。
わいせ:そもそもなんでブログを始めたのかというと、ツイッターは文字数制限があるからこそ良いとは思うものの、やっぱりあるんですよ、ツイッターで書くこと思いついても、書きながら「あーこれ絶対入りきらないわ。かと言ってツイート何回かに分けて書くっていう感じでもないわ。」って思う時が。
姫川:ツイートに入りきらないことを書くためにブログが必要になったと…
姫川:それがツイッターの良いところなんですけどね。
わいせ:そう!文字数制限と同じで、すぐに忘れ去られる諸行無常感がツイッターの長所なのだと理解はしつつも、僕としては自分のツイートはもうちょっと繰り返し長期間にわたって色々な人の目に触れてほしいという思いが正直あって…といっても実際には僕自身が何度も振り返りたいという方が大きいかな。
姫川:出た、自分大好き人間!!
わいせ:だって言いながら気づいたんだもん、「色々な人の目に」とか言って、僕のブログ、多分世界でせいぜい15人くらいしか読んでないと思うから…
姫川:そんなんツイッターだって最初はそうだったわけでしょう?
わいせ:でしょ?絶対いるはずなんだけどなぜか見つからないの。
姫川:じゃあブログは、すぐに流れてほしくないような長い文章を書くために始めたということですね。今年はそれで満足したと。
わいせ:いえ、してないんです。仕事が忙しくなって一時期完全に止まってしまって。6月から11月までほぼ更新してない状態でした。
姫川:仕事のせいにしないの!性欲ツイートが仕事みたいなものでしょう、もう。
わいせ:そうね、まあー僕のツイッターやブログを代官山って言うとちょっと立地良過ぎだけど…
姫川:今さら自己愛隠しても無駄な抵抗っすよ。
姫川:あら、それこそツイッターではやりにくい試み、いいじゃないですか。
わいせ:全然完結してないんですけど、時間が経ち過ぎて先のストーリー忘れちゃったんですよ…
姫川:ダメじゃん!!!
わいせ:いやマジ、ほんとダメで…書きますけどね。なんとか思い出して。ここまできたら最後までやりたい。
姫川:心から「書きたい」っていう衝動がなくなったんなら、無理していやいや書かない方がいい気もしますけどね。
わいせ:でも、途中で投げ出したっていう事実が自分のこれからに与える影響ってのもあると思うんですよ。最後までやりとおせない自分というセルフイメージが強化されてしまうというか。
姫川:でも、嫌々書いたら、それこそセルフイメージ濁るかもしれないよ?
わいせ:なるほど。でも、たぶん書きますよ。女の人に何かを喋らせるのが好きなので。お話を書く動機の半分くらいそれですね。
姫川:女性への変身願望?女装願望みたいなやつかな。
わいせ:似てると思います。新しい女性キャラ出したばっかりなので、さすがにこのまま終わらせたくないですね。
姫川:じゃあ来年はその小説を頑張りますということですか?
わいせ:そうですね。あとは、本当はもっとブログとツイッターって、有機的に連動するイメージだったんですけど、今のところあんまりそういう相乗効果は感じないんですよね。ブログの中にツイッター埋め込んでるんですけど、ブログ読者が少な過ぎてブログからツイッターに流入するケースはおそらく皆無で…ブログ投稿した時に呟くので、逆は多少あるっぽいんですが。
姫川:もっと良い使い方があるのかもしれないですね。
姫川:別に連動させる必要ないじゃん、みたいな。
わいせ:うん、連動が自己目的化してもしゃーないし。他に注力することはあるんで。
姫川:全体的に聞いててすごく思うのが、なんかすごい必死ですよね。なんでそんなにツイッターとかブログとかに熱心に取り組むんですか?別に煽りじゃなくて、純粋に質問なんですけど。
わいせ:煽りでも答えは同じなんで構わないですけど、趣味だからですね。情熱をもって打ち込む趣味。
姫川:なるほど…じゃあ別に何かメッセージを訴えようとか世の中を変えようとかじゃなくて、単に楽しいからやってるってことですね。
わいせ:はい。ツイッターが趣味っていう言い方をしてしまうとかなりかわいそうな人という感じになってしまいますが、僕はもともと冗談をどういう場で言うかということについて…
姫川:あーちょっと待って!なんか別の長い話始まる感じですよね?
わいせ:ええ、まあ。はい。
姫川:ちょ、トイレ行ってきていいですか?
わいせ:あ、ぜひどうぞ。なんか興奮しますね。
姫川:ほんと気持ち悪いですね(と言って席を立つ)
過ぎゆく2017年、来たる2018年(第2回)
今から言うことは嘘なので真に受けないでほしいのですが、先日AV女優の姫川ゆうなさんと都内のホテルで対談し、わいせっつーの本年の活動の総括と来年に向けた展望を語ってきました。これはその第2回です(第1回はこちら)。もう一度言いますがこれは架空の対談です。
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姫川ゆうな(以下「姫川」):ところで、さっき一番好きなタイトルはひもパンのやつって言ってましたけど、普通ああいう時って私が単体で出てるのを言うと思うんですよね(編集部注:ひもパンの作品は3人の女優によるオムニバスで姫川氏はその1人)。なぜあえてあれを挙げたんですか?
わいせっつー(以下「わいせ」):作中で描写されているキャラクターと姫川さんの演技がバッチリはまっていたからです。姫川さんは決して宝塚女優タイプじゃなくて、かといっておしとやかな深窓の令嬢タイプでもなく、明るく笑い転げる溌剌とした少女のようなあどけなさの残る役柄を得意とすると思うんですよね。
姫川:まぁ、年齢的にも高校生役とか。
わいせ:その「若さゆえに無敵」みたいな存在感をすごく感じさせてくれるから、あのひもパンは最強なんです。大人をたぶらかして楽しむ高校生の全能感というか。
姫川:いつまで高校生役ができるかわかんないですけどね。じゃあ、話を戻して、さっきの「絵ネタ」「歌ネタ」っていうのは、どういうふうに振り返っていますか?
わいせ:実際「絵ネタ」「歌ネタ」と定義するほど大したものではないですけど、自分はエロいことだけじゃなくて、せっかくお絵描きとか音楽が好きなのだから、自分らしいことをしようと思って、たまに絵とか歌とかをツイートしたりするんです。
姫川:画像とか動画でってことですか?
わいせ:はい。2016年の後半はわりと仕事に余裕があったので、漫画とかの時間がかかるやつやってたんですけど、2017年は、特に後半は、漫画は全然なくて、絵もイラストっぽいのが増えました。
姫川:ネタ切れですか?
わいせ:それもあるかもしれないですが、やはり仕事のせいですね。なので、2018年は漫画の構造をしたものをまた描きたいですね。
姫川:本当は漫画を描きたいのに忙しいから仕方なくイラストを描いているんですか?
わいせ:いえ、イラストはイラストで、描きたいと思ったものを描いているんですけど…
姫川:じゃあ、その時その時でやりたい事をやれているのだから無理して漫画描こうって思わなくてもいいんじゃないですか。描きたくてたまらなくなったら忙しくても描くと思うんですけど。
わいせ:なるほど…
姫川:あまり仕事の忙しさのせいにしない方がいいと思いますよ。自分が何をしたいのかに意識を集中する方がいい気がします。
わいせ:ありがとうございます。あと歌の方ですが、これは2017年の後半から始めたもので、よく歌の上手い人がやってる「歌ってみた」みたいな趣旨ではなくて、あくまでもツイッターでやってる性欲ネタのバリエーションとして歌のフォーマットを取り入れてます。これが自分としては結構好きで、来年以降も歌のフォーマットを使っていろいろやりたいなと思ってます。
姫川:たとえば?
わいせ:今のところオリジナルというか、ほぼ即興で作って歌ってるんですけど、替え歌とかもアリかなと思ってます。
姫川:なんで今年の後半になって歌をやり始めたんですか?それまではやろうと思わなかったんでしょうか。
わいせ:今年に入ってからキャス配信をやるようになったことが大きいです。それまではインターネットに自分の声を流すことにはかなりの抵抗がありましたけど、キャスで鼻歌レベルの歌を歌ったりするうちに抵抗がなくなってしまいました。姫川さんは仕事を通じて御自身の姿形や声が不特定多数に晒されることに抵抗を感じたりされますか?
姫川:それにどうしても耐えられない人はこの仕事しないでしょうね。よくわかってないでやってる人はいるかもしれないけど。
わいせ:そうですよね。ところでキャスの話が出たのですが、キャス配信を始めたというのが2017年の最大の変化です。性欲に関することを淡々と文字で呟くことだけが、わいせっつーとしての作業だったので、僕自身にとっても、僕以外の人にとっても、かなりインパクトがあったと思います。
姫川:どういうインパクトですか?
わいせ:僕の視点からは、ツイキャスで声を聞かれてしまうということは、恥ずかしい、身バレが怖い、イメージが変わるという三重構造の抵抗があって。
姫川:自意識過剰!
わいせ:そうなんですけど、そういう理由で、興味はあったんですけどなかなか実際にやろうとは思えなかったんです。それを好奇心が上回ってしまって、ついに一回ツイキャスをやったけど、やんなきゃよかったーって感じでしたね。
姫川:どうして?うまく話さなせなかったから?
わいせ:というより、今まで着衣の仕事しかしたことなかったアイドルが、セミヌード的な仕事を初めて受けた、みたいな…「あぁ、あんなとこまでさらけ出してしまった…」っていう。すみません。こんな喩えしていいのかな?
姫川:別に問題ありませんよ。でも、そんな感じだったのに、またやるようになったんですよね?やっぱり楽しかったってことですかね。
わいせ:お喋りというやり方で、文字ツイートでは味わえない新しい楽しみが生まれるということが徐々にわかってきたんです。あと、リアルタイムで他の人とやり取りするライブ感もツイッターではあまりないですし。さっきの三重の抵抗を、メリットが上回るようになってきたんで、今ではちょいちょいやるようになりました。
姫川:そんなに気負ってやるものなのかな、キャスって…メリットとかデメリットとかそういう次元で捉えたことないですけど。
わいせ:いや、僕も、メリットとデメリットを天秤にかけて衡量した上で行動してるわけじゃなくて、単に良い面が見えてきたってことです。
姫川:で、来年はどうしたいんですか?なんか新しいことしたいんですか、キャスで。
わいせ:実はここはあんまり考えていないんです。でも、歌とか絵とかと比べても、文字ツイート以外で今一番興味があるのがキャスかなって思うんで、2018年は何かツイキャスで革命というか飛躍を遂げたいという想いだけはありますね。
姫川:またキャスごときで大げさですね。。。
わいせ:例えば、朗読劇とか。
姫川: えっ、そういう方面ですか?
わいせ:例えば、ですよ?雑談じゃないものをやってみたい。
姫川:オナニー実況でもしたらどうですか?
わいせ:それは自分的にも聞いてくれる人的にもアウトだと思います…倫理的にアウトというより、面白くないと思います…
姫川:需要は女性のオナニーよりもだいぶ少ないでしょうね…
(第3回へ続く)
過ぎゆく2017年、来たる2018年(第1回)
今から言うことは嘘なので真に受けないでほしいのですが、先日AV女優の姫川ゆうなさんをインタビュアーに迎え、わいせっつーの本年の活動の総括と来年に向けた展望を語ってきました。もう一度言いますがこれは架空の対談です。
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わいせっつー(以下「わいせ」):初めまして。大ファンなのでお会いできて光栄です。
姫川ゆうな(以下「姫川」):初めまして。出演作見てくれて、ありがとうございます。好きな作品とかあります?
わいせ:一番好きなのはDOCのひもパンですね。あとは三井ゆり名義のkawaii*とか…あとはメイドでご奉仕のやつですね。
姫川:あぁ…結構初期のですね、わりと。
わいせ:私のツイートをご覧になったことは…ございますか?
姫川:えっと…(スタッフをチラ見)ごめんなさい、ないです。
わいせ:正直な御回答ありがとうございます。私は性欲に関係あることだけを呟くアカウントをやってまして、もうすぐ3年になります。
姫川:へぇ…下ネタだらけなんですね。(ここでスタッフからメモを渡されて読み上げる)もうすぐ今年も終わりますので、2017年のわいせっつーさんの活動を振り返って、いかがですか?
わいせ:そうですね、僕としては今年のわいせっつーとしての活動を5つの視点から省みてみたいと思います。
姫川:えっ、そんなにあるんですか…
わいせ:5つの視点というのは具体的には「サブ垢(ふっつー)」「絵ネタ」「歌ネタ」「キャス」「はてなブログ」のことです。
姫川:「絵ネタ」「歌ネタ」「キャス」「はてなブログ」はなんとなく想像つきますけど「サブ垢」の「ふっつー」ってなんですか?
わいせ:わいせっつーアカウントは性欲に関係あることしか呟かないという制約を自らに課しているので、性欲に関係ないこと、つまり普通(ふっつー)のことを呟くための別のアカウントがあるんです。(スマホを見せる)これなんですけど。
姫川:へぇ…やっぱりメインの垢よりだいぶ人気がないですね。
わいせ:やはり世の中が僕に期待するのは性欲関連ということなのでしょう。
姫川:いや、別に世の中とか期待とかいうほど大それたものじゃないとは思いますけど、はっきりテーマが決まっている方が、逆にクリエイティブになるっていうのはあるんじゃないですか。
わいせ:それは言えますね。そんなわけで僕のサブ垢は「それ以外」「その他」「じゃない方」アカウントという、消極的、受動的、他律的な存在でしかなかったわけです。
姫川:影みたいなものですよね?
わいせ:まさにそうです。実体があるからこそ影がある。影だけが独自に存在することはできない。それが1つの反省点でもあるんです。もったいないなと。
姫川:ポテンシャルを活かしきれなかった?
わいせ:ええ。なので2018年は、ふっつーに積極的な意味を見出していきたいと思ってるんです。
姫川:具体的にはどういうふうに?
わいせ:まだはっきりとは決まっていませんが、たとえばわいせっつーの方では、ある種のシリーズものというか、お決まりのパターンみたいなのができているので、ふっつーの方でもそういうシリーズものみたいなものをやるっていうのは一案だと思ってます。何かご提案やご助言頂けるとうれしいのですが…
姫川:うーん、特にないですけど、多分もっとフォロワーが増えた方がいいと思います。
わいせ:なるほど…
姫川:そもそも、性欲縛りって言って、こだわりがあるように見せかけて、性欲に関係ないこと用のアカウントを別に作るっていうのが正直わかんないんですけど。性欲以外も呟きたいなら全部1つのアカウントでやればよくないですか?
わいせ:それはですね、性欲関連のツイートしかしないアカウントという存在が欲しかったんです。こいつをフォローするとひたすら性欲関係しか言わねーなっていう。それを良いと思ってくれる人にフォローしてもらうという形が僕にとっては理想なので、そこに性欲以外のツイートが流れ込むならこいつフォローする意味ないわって思う人もいるだろうし、むしろそういう人から求められる存在になりたいんです。でも、こいつが性欲以外も呟くならそっちも読んでみたいわって思ってくれる人もいるかもしれなくて、その両方が共存できるようにアカウントを分けてるんです。
姫川:へぇ…そのこだわりがよくわからないですけど、とにかく分けることに意味があるんですね。
わいせ:あとは、先程言及した「絵ネタ」「歌ネタ」をふっつーの方でもやれたらいいなとは思いますね。でもよく考えたらわいせっつー垢でも特にエロ要素のないただの女子高生の一枚絵とかを出しちゃってるし、差別化は難しいかもしれないです。
姫川:まずはメインのアカウントの絵とか歌のクオリティを高めることを考えた方がいいかもしれないです。
わいせ:うぅ…
(第2回へ続く)
ゴンゲ #7
ジュネの乗り気な様子を活用してゆう子の不機嫌さを自然な形で封じ込める方向に持っていくことにした僕は、2人をソファに座らせ、僕の村にヤツがもたらした厄災について説明を開始した。話を始めてしまえば、ゆう子の意識は話の内容に向いて、自動的に怒りは収まるはずだと僕は楽観していた。
「女たちはみんなヤツら一味の虜になってしまったんです・・・」
「本当ですか?この辺りじゃそんな話は聞かないですけど?」ジュネは真面目に話を聞いて受け答えをしているが、ゆう子は終始自分の髪の毛をいじっては毛先をまじまじと眺める一連の動作を緩慢に繰り返すだけだ。
「そもそも、宏樹さんの村ってどこにあるんですか?ずいぶん遠くから来たみたいな言い方ですけど?」真顔のまま、やや早口でジュネが質問してくる。どうやらこの子はどちらかといえば優等生タイプのようだ。
「ここから500ワーディクスくらいです。」
「そんな距離を歩いてきたの?」だしぬけにゆう子が口を挟んできた。「車はないの?」
僕の声は自然と沈んでしまった。
「タイヤが動かないんです。」僕はちらりと自分の靴の落ち切らない泥に目をやった。「女たちの愛液で地面はドロドロになってしまい、村から車は出られない・・・」
ゆう子は顔を強張らせて僕の方を見ていた。いつの間にか髪の毛いじりはすっかりやめていた。一方で、なぜかジュネが神経質に指の爪をいじりはじめた。
「正直さぁ」ゆう子が固い表情のまま言った。「そいつらがどれくらい凄い奴らなのかとかいまいちイメージわかないけどさぁ」ジュネは、まるで自分が話しかけられているかのように几帳面にゆう子の方に顔を向けて話を聞いている。「聞いてると、かなり大規模な事件っぽくてさぁ、たぶんゴンゲ引っ張り出さないと話にならない感じするんだけど・・・」
僕は黙り込んでしまった。
正確に言うと僕は、それまで見えていなかった2つの現実がにわかに目の前に立ちはだかったような感覚に陥っていた。一つは、いつの間にか僕の心理は、この2人を僕の村に連れて行けば物事が解決するかのような根拠のない前提を作り上げていて、その前提に僕は盲目的にすがっていたという事実だ。そしてもう一つは、ゴンゲほどではないにしろ性欲が強くて頼もしい戦士と勝手に思い込んでいた目の前の二人の女性は、顔を強張らせたりソワソワと緊張したりしており、そんなある意味ごく普通のか弱い女性たちを何のいわれもなく僕は、危険に晒そうとしていたという事実だ。
僕はいったい何様なんだ。
これが我にかえるという感覚か。
僕は心の画用紙にいつの間にか淡く滲んだ絵の具で描かれていた絵の1ページを無造作に破り捨てて、ひとりでヤツらに立ち向かう絵の下書きを始めた。ゆう子とジュネは、抜け殻のような男が階下へ降りていく足音を聞いた。
バーを出ていく寸前に飲み代を払っていないことに気付いた僕は、戻って紙幣をポケットからまさぐり出してカウンターに置いた。最後にもう一度店内を見回す。客は男も女も変わった様子はない。ゆう子もジュネも下りてきた様子はない。ゴンゲもいない。
僕はついに店を出た。
もう一度この500ワーディクスを歩いて戻ろう。いや、もうヤツらはこの近くまで来ているかもしれない。
急ぎ足で、来た道を戻っていく。いつの間にか台風でも来たかのように風が強くなっている。僕は、思ったよりも帰還に時間がかかりそうだと覚悟を決めた。しかし、こんな強風の中を徒歩で長距離歩かなければならないという状況のわりには、僕はさほど悲壮感に包まれていなかった。それは、誰かに頼る気持ちを捨て、自分でなんとかしてやろうという決意があったからかもしれない。そこまで考えて僕は初めて、ゴウゴウという風の中に、風とは明らかに異質な音が混じっていることに気付いた。風がなければもっと早く臭いで気付いていただろう。
「宏樹さ~ん!」
僕の後ろから、馬が追いかけてきていた。ジュネが乗っていた。
性欲落語「蜜柑」
最近やたらめったらに暑いですが、皆さん脱水症状になってやしませんか?こんな日にはよく冷えたトロピカルフルーツなんて最高です。
こないだ東南アジアに旅行に行ったんですが、あそこは、フルーツがすごい!でも日本人観光客の若い女性がフルーツにかじりつきながら「どうしよう、マンゴーの汁がスカートに付いちゃった…シミになっちゃう…」だなんてか細い声で言いやがるもんだから、俺ぁ思わずこう言ってやったんです。「おいテメェ、そんな声でそんな事言われたら俺のズボンにまでバナナのシミができちまうじゃねえか!」って。
さて、そんな素敵なフルーツですが、江戸時代はもちろん今みたいに多様な種類はない。柿だの桃だのってのはもちろんあったが、今みたいに冷蔵技術や輸送技術がないんで、旬の時だけ、産地からそう遠くない地域で食べられてたわけだ。今日はひとつ、江戸時代にも食べられていた果物、蜜柑が出てくる噺をしてみようと思います。
甚兵衛は女の裸がめっぽう好きな男で、父親譲りのド助平野郎だ。甚兵衛の親父は女の裸が三度の飯より好きだったんで、最後は飢え死にしちまったって話もあるとかないとか。そんな甚兵衛の朝はこんな感じです。
「ふぁ〜(あくび)、よく寝た。あれ?ないぞ…!!ない…ない!どこいったんだろう、女体がない!…って、いつもの事か。おらぁ独り暮らしだもんな。なんであるはずのない女体を毎朝探しちまうんだろう。まあいいや、今日も愛しのおりんちゃんに逢いに出かけようかね〜。」
テクテク…
「おりんちゃんの身体はいつ見ても最高なんだ!おりんちゃんも俺のこと好いてくれてるけど、じゃあめおとになるかっつったら、違うんだよな。俺はおりんちゃんの身体だけじゃ満足できねえもの。でもおりんちゃんは特別よ。だって、おりんちゃんだけは俺に生まれたまんまの姿をいつだって見せてくれるからな〜。おなごは丸裸が一番だぜ!」
「よう、甚兵衛。どうした、なんか独り言にしちゃだいぶ気まずい事を口ばしりながら歩いてたみたいだけど。」
「おお、ご隠居さん!聞いてたんで?こりゃあいけねえ。おなごじゃなくて俺の心の方が丸裸にされちまってたぜ!」
「何言ってんだい、自分からペチャクチャ喋ってたくせに。お前さん、おなごは丸裸が一番って本気で思ってんのかい?」
「えっ、ご隠居さんはそう思わないんですかい?」
「当たり前だよ。おなごは全部脱がしちまえばただのすべすべのお肉だよ。着物のどこがどうはだけるか、どこが見えてどこが見えないかってとこに醍醐味があるんだから。」
「そうですかい。俺は着物なんざ、ただの邪魔者としか思ったことはねえんですが。」
「嫌だねぇ、お前さんは粋とか風情とか趣きって言葉を知らないのかい?着物の襟が艶やかなうなじから背中をするっと滑り落ちる瞬間とか、裾からちらちら見え隠れする足首に心を動かされたりしてこそ大人の男ってもんだよ。」
「うなじから滑り落ちる…?うーん、あんまりそんなところは見たことがねえや。でも着物がはらりと落ちる瞬間ってさ…」
「そうそう、そういう瞬間よ!」
「着物が床に落ちるより、俺の唇が女の乳首に着地する方が早いんだよなぁ!」
「何だいそりゃあ!もうお前さんもいい歳なんだから、そんな不粋なこと言ってないで、女の得も言われぬ色気を愉しめるようになったらいいと思うよ。じゃあな。」
「あぁ、行っちまった…ご隠居さん呆れてたな…。でも俺にはわからねえよ。はだけ方の風情とか言われたって、結局はだけるのが良いってことは脱いで欲しいんじゃねえか。粋とかカッコつけたって、みんな裸が大好きなんだろ?まどろっこしい話はよして素直になりゃいいのに…おっと、もうおりんちゃんのとこに着いてた!」
トントン
「あら甚兵衛さん!今日はずいぶん早いのね!来てくれて嬉しい〜」
「おりんちゃん、あがっていいかい?」
「どうぞ。そうそう、昨日紀州のお客さんから蜜柑を頂いたのよ。一緒に食べましょう。」
「ほう、蜜柑かい。そいつはいいや。じゃあ遠慮なく…」
「見て、よく熟してるでしょ?」
ジロジロ
「あ、ああ…とっても熟してる…みずみずしくって…甘くて美味しそう…」
「ちょっと甚兵衛さん!何してんの!今は蜜柑の話でしょ?!」
「おお、すまねえ。目の前に、食べ頃の熟れた水菓子があったもんだから…」
「訳のわからないことを言わないで。はい、おひとつどうぞ。」
「うん…」
「どうしたの、まじまじと蜜柑を見つめて…食べないの?」
「いや、今蜜柑を見て思ったんだけどさ、やっぱり俺は間違ってねえよなって。」
「なにが?」
「だってよ、蜜柑は皮を全部剥いちまわねえと食えねえだろ?端っこの方をちょびっと剥いて中の房がちらりと見え隠れしたところで、粋だ風情だと喜ぶヤツぁいねえよな…」
「なんの話??」
「いや、何でもねえよ。こっちの話。さあ食うか!」
「ふふ、変な甚兵衛さん…」
トントン
「あら、誰かしら」スタスタ…
「なんだ、俺のほかにもこんな朝からおりんちゃんに用がある奴がいるんだな。まあいいや。蜜柑もキレイに剥けたし。蜜柑だって真っ裸にしてあげたほうが喜んでるぜ。まるでおりんちゃんのカラダみてえに、ぷりっぷりだし、いい匂いがしやがる…あー早くおりんちゃんを全部脱がしてえよ!おりんちゃん!いったい誰と話してんだい!早く皮を剥かせとくれよ!」
「皮を剥く、だと…?」
「ひえっ、お侍さん!?こいつは失礼いたしやした。俺ぁ奥で待ってますんで、ごゆっくり…」
「待て。お前は何者だ。おりん、説明せい。」
「こっ、この人は蜜柑を届けてくれた紀州からのお客さんなのっ…」
「そ、そうなんです、へへ…(おりんちゃん、こいつぁ誰だい?)」
「(甚兵衛さん、隙をみてお勝手から走って逃げて…)」
「(えええ〜〜?)」
「おりん、見え透いた嘘をつくな。この男、紀州訛りはまったくないし、だいたい先ほどおぬしを脱がせたいなどと口走っていたぞ」
「どひゃ〜〜また心が裸になっちまってたか〜〜」
「儂という男がいながらコソコソとこんなたわけ男と会っていたとはな…」
「おりんちゃん、一体これはどういう…」
「儂の女に手を出してタダで済むとは思うまいな…」カチャッ(刀の柄に手をかけた音)
「えっ、まさか、斬るつもりっ?!」
「お侍さん!後生です、命だけは堪忍しとくんなせえ!!」
「やめてください!」
「お前は下がっておれ!刃が当たるぞ!」
「た、助けてくだせえ…」
「ならぬ。何か言い残すことはあるか?」
「うう…ご隠居さん…俺は間違ってた…裸にしない方が良いもんがあるって事がやっとわかった…だって俺は、いつだってなんだって全て剥き出しにしようとしてきたけど…今はどうだ…お侍さんの刀が頼むから鞘から剥き出しにならねえでくれって、鞘を脱いで丸裸にならねえでくれって事しか考えられねえよ!!」
……。
おめこがよろしいようで…